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服や雑貨類をアップサイクルする新施設「ニューメイクラボ」が原宿にオープン ミッソーニやデサントが衣料品提供

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循環型ファッションの実現化を目指すファッションコミュニティ「NewMake」の拠点となる「ニューメイクラボ(NewMake Labo)」が、原宿エリアに開設された。国内外のブランドから提供された服や雑貨類をアップサイクルし、衣料品ロスの課題を解決する場として展開。施設内にあるミシンやプリンター、裁縫道具、素材といった機材や資材はコミュニティメンバーであれば無料で利用できる。

 ニューメイクラボは「スノーピーク 表参道」などが立ち並ぶ神宮前6丁目エリアに位置し、同プロジェクトを共同運営している東急不動産の保有ビル「原宿ベルピア」1階にオープン。内装設計は中川政七商店の店舗など数多くの商業設計を手掛ける設計士の佛願忠洋が担当した。以前入居していたランジェリーショップの壁紙や天井を残しながら、コミュニティメンバーの声を反映し、「リメイクを超えた新しいメイク」を体現した空間に仕上げたという。什器にはサイクルの原点として紡績工場などで使われる木管の廃材を使った。施設内に備えるミシンは国内最大手のブラザー販売が協力。作品制作に関するアドバイザーには「ユウミアリア(YuumiARIA)」のデザイナー鈴木ゆうみを迎えた。

 アップサイクルのために提供される衣服は余剰在庫品や品質面で販売に至らなかった商品などで、第1弾は「ミッソーニ(MISSONI)」の製品を揃えた。オープン時はNewMake作品として、鈴木やニット作家の蓮沼千紘、コラージュ作家の大野彩芽ら5人の作家が手掛けた作品を展示している。

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今後は3週間〜1ヶ月のペースでブランドが入れ替わり、「オールド イングランド(OLD ENGLAND)」「ニューバランス(New Balance)」「デサント(DESCENTE)」「コールマン(Coleman)」「アディダス(adidas)」などが製品を提供する予定。ラボで作られた作品については販売も視野に入れるが、展示などのイベントを通じた啓蒙活動に活用し、次世代に気付きを与えることを主な目的とする。販売する際は作り手への還元率を明示するなどトレーサビリティを重視するという。なお、ラボは新型コロナウイルス感染防止対策のため、当面の間は完全予約制で営業する。

 プロジェクトは体験シェアリングサイト「AND STORY」を展開するストーリーアンドカンバニー(STORY&Co.)と東急不動産が企画し、約半年の準備期間を経てラボを設立した。東急不動産が資金面も含め全面的にバックアップしており、投資額は非公開としている。ビジネスモデルについてはタイアップなどで収益につなげるという。

 コミュニティメンバーは現在210人ほどで、7割が服作りの技術を持つ。平均年齢は27歳で、サステナビリティやSDGsへの関心が強い人が多いという。登録無料で、現在も順次メンバーを募っている。ストーリーアンドカンバニーの細川拓代表取締役社長は「企業と個人が手を組むこと」をプロジェクト最大の目的に掲げ、今後は東急不動産が運営する商業施設への出店に加えて、展示スペースや撮影スタジオなどの開設も計画する。「服を販売・焼却は流通コストがかさむ。全国に拠点を構えることで流通コストを解消し、“着の地産地消”を実現させたい」とし、将来的には全国各地に広げる考えだ。